世界的なメゾソプラノ歌手の藤村実穂子さんの歌をびわ湖ホールで聴きました。びわ湖の水の青と水が太陽に映えて見える銀色をイメージしたような衣装で舞台に現れた瞬間に、意志と気品を感じました。
モーツァルト、マーラー、ツェムリンスキーと五木の子守歌と江戸の子守歌。
最初から最後までご本人から感じる意志と気品を、声からも歌全体からも感じ続けました。
子守歌以外はドイツ語なのですが、ドイツ語は「r]を発音する時舌を巻くことが多いです。いわゆる「べらんめえ」です。「べらんめえ」以外日本語の発音にはないのではないかと思うのですが、上手に発音するのがなかなか難しいのです。でももちろんプロの方々は皆さんネイティブ同様の発音をなさいます。
が、昨日の藤村実穂子さんの巻き舌は、ネイティブ感を通り越して、ご本人同様、不思議なくらい高貴なものでした。あのような巻き舌の発音を聴いたことがありません。とても印象的でした。
付け足すと、配られたプログラムの中身の曲の解説(曲に関する個人的ノートとされています)、曲の和訳は全てご本人がされています。これもあまり見たことがありません。3年ほど前に京響と共演された時も、ご自分で歌われたマーラーの和訳はご自分でされていました。
意志と気品を感じます。
もう一つ付け足すと、アンコールに答えて、なんと3曲も歌われたのです。
意志と気品と優しさを感じます。